≪ 膵臓 ≫
膵臓は消化液の膵液を作ったり、血糖値の調節に必要なインスリンを作ったりする働きがありますね。血糖値を上げるホルモンはいくつかありますが、血糖値を下げるホルモンはインスリンしかないから特に重要です。
では、膵臓ですが体の何処にあると思いますか?あまりピンとこないかもですね。
膵臓はCT撮ってもMRI撮っても分かりにくい。癌が見つかっても手遅れなことが多いです。
膵臓は胃の裏側にあって、おたまじゃくしみたいな形の頭部を右側にして十二指腸のこの字に曲がった部分に囲まれています。左端っこの尾部に脾臓がくっ付いていて、膵臓と太い静脈で繋がっていますから、膵臓と脾臓はとても関わりが深いです。脾臓は現代医学では軽視されていますが、徐々に重要な機能がわかってきていますよ。
小腸の十二指腸のところでも書きましたが、膵臓にはパイプがあって、胆嚢からのパイプと繋がって、十二指腸にある開口部から消化液を出していますね。膵臓は、すべての成分を分解する強力な消化液を複数作っていますね。
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膵炎
膵臓がだんだん疲弊して機能がダウンして、結合織(細胞と細胞を繋ぐ繊維)が弱って組織が破れやすい状態になると、膵臓の中で作った強力な消化液が漏れる場合があります。これが少しでも漏れると、自らの組織を分解していってしまうのです。これが大量に漏れたらどうなると思いますか?「膵炎」です。大量に消化液が漏れると膵臓全体がだんだん溶けていきます。やがて、それが周りにも漏れてくるから胃も腸もみんな溶けちゃう。さらに進めば、肝臓から胆のうの方まで、心臓、肺の方まできてしまいます。そうなる前に猛烈な痛みが来ます。
このような膵臓の中から膵液が漏れてきて内臓が溶けて、物凄い痛みで死んでいく人が多いんですよ。この膵炎は現代医学では治す方法がないです。だから、そのような炎症を起こしていると切るしかない。なんでも切っちゃうんですよね。だから、そこまで行ってしまう前にきちんとしなくてはいけないですが、膵臓はほとんど症状が出ないからわからない。痛みも、かゆみもない、健康診断やってもわからないですから、気が付かないうちに進んでしまうことが多いんです。
● 膵臓と肝臓の機能低下
現代人のほとんどが膵臓と脾臓の機能が低下しています。膵臓の機能が低下すると何が起こるか?
膵臓で作るインスリンは血液中の糖分をコントロールします。インスリンが多すぎても少なすぎてもどちらも危険ですが、どちらもあまり症状が出ないです。だから、膵臓の機能が低下しているか分からないんですね。糖尿病もそうですが、明らかに糖尿病になっている人でも症状がほとんど出ないから気づきにくいです。
では、どうやって膵臓の状態を確認すればよいかというと、ちょっとした症状で気づくことができるんですよ。
膵臓の機能が低下すると、ほとんどの場合は消化液が足りなくなり消化がスムーズにいかなくなってきます。そうすると何が起こってくるかというと、消化がスムーズにいかないから何となく腸の方で何か気分が悪い違和感が出てきたりする。何か食べ物がいつまでも残っているみたいな違和感が出てきたりする。もう少し進むと、お腹が張るような現象が起こる。特に豆類のタンパクの多いもの食べた時にお腹が張る人がよくいますが、腸内でたんぱく質が発泡してガスが発生しているからです。小腸でも大腸でも起こります。だから、お腹が張るから豆類は苦手という人のほとんどは膵臓の機能が低下しています。そういうちょっとした症状が徐々に表れてきたら膵臓が怪しいですよ。
その他に油を多く摂った時に気持ちが悪くなる人も結構いますよね。そういう人は肝臓が低下している人が多いです。肝臓はとても多くの役割があり、消化にも一役買っていますね。肝臓では胆汁を作っています。この胆汁の質が悪かったり、量が少なかったり、送り込むタイミングがずれたりすることがある。そうすると、油の消化が円滑にいかないので油が滞ってしまう。そうすると気持ち悪くなる。だから、油っこいもの食べると後で気持ち悪くなるという人は胆汁が円滑に流れていない。これは元をたどっていくと肝機能低下なんですね。
膵臓と肝臓がダブルで機能低下していると強烈に反応がでます。少し天ぷら食べただけで直ぐに胃から腸まで気持ち悪くなって吐きそうになるようなことが起こります。その時に何をするかというと、たいていの人は胃腸薬を飲みますよね。多少一時的に誤魔化しが効くから、繰り返していくうちにどんどん進行してしまう。その上、胃腸の薬でも薬物ですから胃にも腸にも負担になり、最終的には肝臓の負担になり、更に肝機能が低下してしまいます。
肝機能が低下すると腸の機能も低下します。逆に胃や腸がちょっと弱っても、肝臓の機能が上がると何もしなくても胃腸の機能も上がっていきますよ。その位肝臓と胃腸は関連が深いです。
だから、消化器の働きを良くしようとする場合に、腸だけ考える人や、胃だけ考える人もいますが、そんなものじゃないです。全体が関連した中で、それぞれがお互い助け合いながら消化という機能を果たしているんですね。胃腸のトラブルがあった時に普通に言われている健康法をやっても中々解決しないのは当たり前のことなのです。
● ちょっと豆知識
膵臓の機能が低下した時にどうすればよいか?
脾臓に何らかの刺激を加えていくと脾臓の循環が良くなるんですよ。脾臓と膵臓は太い静脈で繋がっていますから、脾臓の循環が良くなると膵臓の循環も良くなるんですね。そうすると、膵臓の機能が上がります。だから、脾臓の手当をすれば良いんですね。
脾臓にあたえる刺激で一番簡単なのは冷刺激。5秒か10秒くらい冷たいものを当てるだけ。それだけでいいです。簡単でしょ!何か冷えているものを適当に布に包んだり、巻いたりして脾臓がある場所にちょっと当てればOK。お風呂から上がるときに冷たいシャワーを5秒くらい当てるだけでも良いです。その場合注意することは、直角に当てると後ろに回って腎臓まで冷やしちゃうと有害なので、斜めに当てて後ろまで流れて行かないようにしてくださいね。
≪ 肝臓 ≫
最近どんどん肝臓のメカニズムの解明が進んで1,000種類もの働きがあると言われています。一人の人間の肝臓が行っている化学変化を現代科学の技術を使って工場でやろうとするとかなり大きな工場が必要なくらい大変なことを肝臓はやっています。それどころか現代科学では肝臓と同じことをすることは不可能と言われていますね。
普通いわれている肝臓の主な機能は解毒。つまり、有害なものを分解し排泄をする。そして、胆汁を作る。タンパク、脂質、糖質などの栄養素を使えるものに作り変える。脂質代謝といって脂肪類などのコントロール、多ければ分解排泄、足りなければ作る。などありますが、肝臓の1,000種類もの働きを一言でいうと、浄血。腎臓の浄血とは少し意味合いが違います。肝臓の浄血というのは血液の質そのものを安定させる。つまり、質の良い血液を保つという意味の浄血なんです。腎臓の方の浄血は血液の質を良くするのではなく、血液中の老廃物を排除することによって血液をきれいにするという浄血です。肝臓の働きは、要するに上質な血液を保つこと。だから、とても大事ですよね。
膵臓、脾臓、胃、腸、こういうとこから血管が出ていますね。それらの血管の中には、それらのところから来た栄養素、水分、いろんな老廃物だとか、様々な物が混ざった血液が入っています。その血管は全部肝臓に繋がっています。そのように臓器から肝臓に繋がっている血管を門脈といいます。何で肝臓に繋がっているかというと、それらのものは、様々な有害なものが含まれている可能性があるので肝臓で処理をしなくてはいけないです。その為にいったん肝臓を通過するんですね。肝臓のフィルターを通過して、そこで処理されて、安全な状態にしないと全身に送るのは危険なんです。そういう重要な役割をもっています。そして、肝臓で処理された血液は直ぐに全身に送れないんですよ。もう一回処理されてから送られます。肝臓で処理されて血液は何処に行くと思いますか?肝臓でいったん処理された血液は心臓に送られて行きます。心臓の役割は循環させることですね。
失禁・逆流性食道炎
胃の入口は噴門、出口は幽門といいます。噴門はリング状の太い筋肉で強く閉じています。
ところが、最近はここが緩んでいる人が増えています。噴門が緩むということは、他も緩んでいるということなんですけど。入口も出口も緩んでいる人が多いです。下の方の出口も緩んでいる人が多いですね。失禁が増えているのはそのためです。今は40代でも失禁が増えているそうです。
噴門が緩んでくると、胃の内容物が逆流する場合があります。これは大変なことです。胃の中には強力なたんぱく分解酵素と強力な酸性物質があります。それがまともに上がってきたら直ぐに炎症起こします。症状としては、胃の上の方が熱い嫌な感じ。それをよく胸焼けといいますね。そういう症状が起こってきます。酷くなると、だんだん上がってきて喉の近くまで炎症起こしちゃう人いますよ。そこまでくると食道全部切られちゃいます。「逆流性食道炎」今すごく増えていますよね。
そらから、食事して満腹になってしまったとき、しばらく横になるとすっとすることが多いのは消化がスムーズにいくからですね。横になると胃が垂れないからです。横になるとき右か左かどっちを下にしますか?
昔の人は出口が右にあるから右を下にすると移動しやすいからいいと言っていましたが、最近は噴門の筋肉が弱っている人が多いから右下に寝ると、内容物が食道の方に逆流しやすくなってしまうんです。だから、現代人は右下に寝ることは避けた方がいいです。早く消化したければ、仰向けが一番いいです。食べ過ぎないことの方が大切ですけどね!
以上で消化器系については終わりです。大まかですが、役割、働き、関係性を理解いただけましたでしょうか?