2014年07月18日

「一物全体」と「身土不二」

マクロビオティックには「陰陽のバランス」以外に、「一物全体」と「身土不二」の原則があります。これはあくまでも原則ですからこだわりすぎたり、振り回されたりする必要はないですよ。

「一物全体」
一物全体というのは、どんなものでも全体でバランスが取れている、だから一つのものを丸ごと食べる。という原則ですね。もちろん、皮つき、根付きで食べる。丸ごと食べられない大きな動物や、魚は食べない方がいいということです。

全体としてバランスの取れているとは、どういうことかというと、人体内の栄養のバランスを基準に見るんですね。最もバランスが取れているのは種子です。穀類も全部種子ですよね。しかも生きていますからね!その種子の中で一番バランスが取れているのが「米」なんです。だから、美味しいんです。この米もこのまま炊いたのではバランスが悪いので塩を加えて炊くんですよ。

しかし、なんでもかんでも一物全体であれば良いというものではありませんよ。
マクロビオティックでは小魚なら一物全体だから良いんだという考え方が結構浸透していますが、特に小魚は変性が速いので、生きたままとか鮮度の良いものならまだいいですが、体内に入るとマイナス現象が起こってしまいますからよくないです。
豆類も一粒一粒バランスが取れていますが、どんな食べ方でもいいというわけではないです。米もそうですよ。米は非常にバランスが取れていますが、そのまま食べたらバランスが崩れます。だから、その米の中に不足したものを補っていかなくてはいけない。これだけは絶対に補わなくてはいけないというのが「ナトリウム」なんです。だから、玄米を炊くときに塩を必ず入れるんです。これはバランスを取るためなんですね。それ以外に不足したものも補っていくわけですが、この件は長くなるので別の機械にお伝えしますね。

では、大根みたいに大きなものはどうすればいいと思いますか?一本全部食べられないですよね(笑)
この大根も、上の方と下の方は成分が違う、中心と皮では成分が違う、葉っぱと地下茎ではもっと成分が違う。だから、全部食べなきゃ!って無理に食べなくてもいいですよ。葉っぱの部分を1と地下茎の部分を1で摂れば一応はバランス取れます。そこに拘るよりも、体内に入ってからどうなるか。ということを考えましょうね。そっちの方がもっと大切ですよ。

それから、卵は鶏を一羽食べるのと同じことだから、卵は凄く有害だと言われていたりするようですが・・・
卵とか雲丹などの下等なものは、それ1つが1つの細胞ですから、その中で栄養のバランスが良いです。そのような下等な生物は体内に入ってから直ぐに分解されるんです。あとに残す不要なものがあまりないです。だから、下等なものの方がいいということなんですが、発酵食品に含まれている微生物も下等生物ですよ。加熱すると死にますが、死んでもそこにある有効成分はそのまま残っています。微生物も1つ1つが全部単細胞生物ですから、その1つ1つの中にありとあらゆる栄養が含まれているんですね。
大きな動物のように筋肉の部分だけ、脂肪の部分だけ、腸の部分だけとか摂ると全体の一部ですから、相当バランスが崩れていますよね。
生き物であれば、小さな生き物ほど、そこで全体のバランスが取れているから害が少ない。酵母や麹菌のような小っちゃな生物は、1つ1つバランスが取れているから、処理しやすく、非常に良い栄養になるんですね。だから、大きな生き物の一部を摂るということは、バランスが崩れるという意味でも良くないですね。


「身土不二」
「身と土は二つにあらず」体と環境はバラバラではありませんよ。ということですね。一体なんです。身土不二はとても大事な事です。でも、課題解釈している人も多いんですよ。
それから、現代人は生まれた場所にずっと住み続ける人ばかりでなく、あちこち住む場所を移動する人が多いですから、身土不二が当てはまらなくなる人も多いです。

人と植物と環境は全部一体だから、性質が似てくるんです。その環境に最も合うものがそこに育ちます。暑い所には育つものは、動物の体を冷やすものが多く育つ。逆に寒い所に育つ植物は、動物の体を温めるものが多く育ちます。
北海道と沖縄というように極端な地域差がある場合は、身土不二の影響をいけますが、本土内でどれほど差があるかというと、そんなに差は無いです。地産地消で野菜などの農産物は自分の住んでいる周辺のものを当方が、経済効率的にも栄養的にも味的にも全部良いですよね。そういう意味を含めて周辺にあるものを摂っていくのは必要ですが、全部が全部厳格に身土不二の原則に沿った摂り方をしなくてはいけないわけじゃないです。特に影響されるのは保存性の低いものです。葉っぱ類の野菜など直ぐに痛むもの。そういうものは、近隣のものが良いです。遠くから空輸されたものは体内で直ぐに影響が出ますから良くないです。ところが、保存性の高い、穀類、豆類、イモ類、玉ねぎような日持ちする野菜は身土不二の影響をそれほど受けないです。こういうものは遠方で取れたものでも、それほど体内でバランスを崩すことが無いんです。1つ1つがバランスが取れていて、環境によって大幅にバランスが違うということはないんですね。葉っぱ類とか、早く育つ野菜類は環境によってかなり成分が違います。だから、全部が全部身土不二の原則にこだわらなくてもいいんですね。

それから、旬の食べ物が良いというのは身土不二と同じことですね。冬の寒い時期に温室で栽培したものはよくないです。温室の環境と外の環境は全く違います。真夏のような環境にして育てた野菜を真冬に食べたら体を益々冷やしてしまいます。夏には体を冷やす野菜が多く育つんです。だから、旬のものでないものを食べると身土不二の原則を大きく外すことになり良くないです。季節外れの温室栽培は栄養価が低く、味も良くない。相当に肥料と農薬も必要になる。しかも値段が高いです。そういう不自然なものは避けた方がいいです。工場生産の野菜も、もちろん良くないですからね。

posted by 小手毬 at 00:54| Comment(0) | 「一物全体」「身土不二」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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